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熊沢 蕃
電子通信学会論文誌,A, 61(8), p.774 - 781, 1978/08
本論は、方向依存性のある器官線量を精度よく評価する上で必要とされる、少数のデータに基づく有限球面調和展開法に関する。従来、この種の展開は地球物理学上のデータ解析に用いられているが、従来の展開法による各項は必ずしも一次独立ではない。従って、少数のデータを用いて一次連立方程式により展開係数を一義的に求めることができない。本論では、実験データの取り易い「球面格子点」を天頂角、方位角をそれぞれ等分した交点のセットと定義し、このセットに関して一次独立な球面調和関数を誘導することにより、その展開形を明らかにした。この他のセットについても検討を行っている。あらゆる内挿点で同じ値をもたらす球面格子点に関する球面調和展開と2次元フーリェ展開の関係も検討されている。本展開法は従来のものより高い次数の項を含む特徴がある。本展開法により器官線量データの球面調和展開が可能となり、又他への適用も化膿。
倉沢 利昌; 菊池 武雄
Journal of Nuclear Materials, 60(3), p.330 - 338, 1976/03
二炭化ウラン(UC)の圧縮クリープ実験を温度1200~1400C応力2000psi(140kg/cm)~15000psi(1054.5kg/cm)の範囲で行った。得られた実験式は=A(/E)exp(-39.61.0/RT)+B(/E)exp(-120.61.7/RT),(:クリープ速度,:応力,E:ヤング率)であった。上式で前項は低応力で後項は高応力側での-曲線でありそれぞれ異った傾斜をもっている。これと同じ現象はUOでも発表されているがUC系では始めてである。後項はワートマンクリープ機構とよばれる転位の上昇運動が律速するクリープである事を示しまた実際に超高圧電顕観察による転位のネットワークが観察された。上式の前項(低応力側)では実験誤差を考えればはに比例するとみなすことができる。ヘーリングーナバロの式およびコーブルの式より拡散定数を求めてウランおよび炭素の拡散定数と比較した結果境界拡散の式であるコーブルモデルに合う事がわかった。クリープはウラン原子が空格子点を媒介として拡散する機構で低応力側(上式前項)では粒界の拡散,高応力側(上式後項)では粒内の拡散であると結論される。